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続こんぶの日記 KOMBU's diary from Sydney

Fitness First ?

2009年7月2日(木)

オーストラリアに、”Fitness First” という全国展開しているフィットネスクラブがある。私が抱えるITPは自己免疫疾患だ。ここは運動でもして免疫力をあげようと思い立ち、以前から興味のあったヨガやティラピィスのクラスも参加することができる近所の”Fitness First”に通うことにした。

日本で大学院生活をしていたときは、両国から隅田川を超えて大学のある築地まで往復1時間の自転車通学をしていた。「難産に立ち会う助産師は、産婦と同様にフルマラソン並みの体力を消耗している」と言われるように、助産師として働いていた頃は、毎日走り回っていた。シドニーで生活するようになってからは、車社会にもまれ運動という運動をしてこなかった。

ヨガのクラスの前に、トレッドミル(電動走行器?)で有酸素運動をする。トレッドミルが何十台も置いてあり、みんな一生懸命に早足をしていたり、走ったりしている。私が通う時間は昼間なので、そんなに混雑はしていないだろうと思っていたのだが、意外とたくさんの人が運動している。みんな仕事もしないで、昼間から何やっているの?と自分のことを棚にあげて伺いたくなる。

それにしても、きっとマクドナルドの食べ過ぎで太ったに違いないという白人のぶよぶよのおじさんが、一生懸命トレッドミルの上で歩いているのを見ると、なんだか胸が痛む。おじさんもまた文明の被害者であるかもしれないけれど、一方で地球の裏側では、水や食料を得るために、途方も無い距離を歩いている子どもたちもいる。”Fitness First”なんていう名前は、思い上がった“先進国”の人がつけた名前に違いないだろう。food, water, education, sanitation, medication, house, work…..他にもFirstでなければならないものがたくさんあるのになあ、と自分もトレッドミルの上で走りながら、ぐちゃぐちゃ考えていた。

ヨガやティラピスのクラスでは、そのままスポーツ用品の広告に出ていそうな、手足の長い白人のお姉ちゃんたちがさわやかである。一方、ジャージ姿の中国系のだるま体型のおばちゃんたちもたくさん参加していて、安心する。思わず「おばちゃん、一緒にがんばりましょうね!」と声をかけたくなるほどに彼女たちに親近感も湧いて来る。

ヨガやティラピィスは全くの初心者だが、気づいたことがある。鼻から吸ったきれいな酸素を身体の隅々の細胞に届けようと意識することは気持ちよい、ということだ。分娩中に胎児の心音が下がったときに、「鼻から大きな息を吸って下さいね〜。赤ちゃんに酸素を届けてあげましょうね〜。」と言っていた現場に通じるものがあるかもしれない。

また、ヨガやティラピィスでは、ブリッジの体勢や腰を持ち上げる運動が多い。特に女性にとっては、骨盤内の臓器を時々逆さまにすることが何かしら健康にいいのかもしれないと感覚的に思った。

クラスでは波の音など癒し系の音楽をバックに、腹筋や背筋の運動など結構きついことをする。インストラクターが「息を吸って〜、はいて〜」と囁き、ヨガムードは満点だ。腹筋に効果がありそうなポースに取り組んでいたとき、突然“コケコッコー!”という鶏の鳴き声の携帯着信音がクラス中に響き渡り、中国系のおばちゃんが、中国語で大声で話し始めた。それを気にも留めずにインストラクターは、「吸って〜、はいて〜」と繰り返している。何でもありなところがやはりオーストラリアだなと思いながら、私は腹筋をぷるぷるさせていた。



by gonzalesK | 2009-07-02 22:34 | Life in Sydney

シドニーの青い空と広い海のふもとで繰り広げられる日常をこんぶ風味でお伝えします
by gonzalesK
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