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続こんぶの日記 KOMBU's diary from Sydney

The day of "No more Hirohima"

2009年8月6日(木)

今日は広島の原爆記念日。夫のおかあさんが入院している病室のテレビで、夫と夫のおかあさんと広島の平和記念式典の様子をニュースで見た。夫のおかあさんは最近痴呆症もあり、式典については何も言わなかった。

もし、おかあさんが痴呆症を患っていなかったら、この式典の様子を見て何と言っただろう。第2次世界大戦のときに、おかあさんの一家は中国に侵攻してきた日本軍に財産を奪われた。彼が子どもの頃、おかあさんがそう彼に話したという。それでもおかあさんは、私たちの結婚を祝福してくれた。

そんな歴史の壁を私たちはひとつ乗り越えたが、これからも乗り越えなくてはならない壁は厚い。国際結婚は、からだを張った究極の異文化理解のひとつだ。バンコクに来て3週間、タイ語と英語と広東語と潮州語(広東省地方の方言)が飛び交う中に暮らして、そろそろ私も適応障害の寸前である。

中国では昔、ある程度の財力がある男は妻を2人めとることが日常的にあったようだ。夫のおかあさんのおとうさんにも、夫のおとうさんのおとうさんにも妻が2人いたというから、とにかく兄弟姉妹の親戚が多い。夫も親戚の名前を覚えるのは諦めていて、私にも「おばさん、おじさんと呼べばいいから」と助言を与えた。

具合の悪い夫のおかあさんを見舞いに、香港からやって来た“おばさん”2人と“おじさん”は、英語が堪能だ。彼らは、バンコクでショッピングや外食も存分に楽しんでいる。この人たちは、香港独特の資本主義経済の恩恵を受けてきたのだなと感じる。

一方、広東省のいなか街からやってきた“おばさん”2人、と“おじさん”は英語を全くしゃべらない素朴な人々だ。ショッピングや外食よりも、庭で中国茶をすすりながらのおしゃべりや団らんを好む。おばさんの一人は「山口百恵」が好きだと漢字で筆談し、中国でヒットした「血疑」(赤いシリーズ?)という山口百恵出演のドラマの主題歌を歌ってくれた。

私は日本にいたときはもちろん、シドニーでも残留農薬の問題で中国産の食品はなるべく避けて来た。しかし、ここではそんなことは言っていられない。中国からの数々のおみやげ、桃やさくらんぼ、ピーナッツや豚の皮を干したお菓子など、中国産であふれている。この超高齢化家族の中の「若者」の私は、それらを勧められるままに頂かなくてはならない。そして中国語で「おいしいですね!」と言い、ゲストを喜ばせることがひとつの日課となっている。

ストレスとともに私の身体に蓄積されていく中国残留農薬。気にならなくもないけれど、夫のおかあさんもおとうさんも共に80歳だし、夫のおばあさんは98歳まで、おじいさんは90歳まで生きたというから、あまり気にしなくてもいいか、と思いつつ豚の皮をかじっている。

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by gonzalesK | 2009-08-06 23:13 | Life in Bangkok

シドニーの青い空と広い海のふもとで繰り広げられる日常をこんぶ風味でお伝えします
by gonzalesK
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