続こんぶの日記 KOMBU's diary from Sydney

カテゴリ:Life in Sydney( 39 )




HIROMI THE TRIO PROJECT CITY RECITAL HALL

2016年6月11日(土)

シドニーのRecital Hallで開催された上原ひろみのコンサート
HIROMI: The trio project: Featuring Anthony Jackson & Simon Phillips に行ってしまった。

自称音楽通の夫は、音響が良いことで有名なRecital Hall には行きたいようだったが、テクノジャズっぽい上原ひろみには、それほど興味を頂かなかったらしい。
なので、土曜日の夜のベビーシッターを申し出てくれた。

私自身は、10年くらい前に知人に勧められて、上原ひろみのCDを購入し、聴いてみたものの、あまりぴんとこなかった。でも今回は、世界で活躍する日本人を応援したい、わざわざシドニーに来てくれるなんて!という気持ちもあった。

座席は、舞台から3列目で、舞台の臨場感をたっぷり味わえることができた。隣に座ったのは、エスト二ア人の女性だった。彼女もひとりでコンサートに来ていた。「HIROMIは日本でも有名なのか?」などという会話を彼女と楽しみ、「自分の出身国のアーティストがシドニーに来ると、私もごひいきにしちゃうわ。」と私の気持ちを汲み取ってくれた。

コンサートは、上原ひろみの力強いピアノと、それに負けないベースとドラムのセッションから始まった。隣の女性も "a lots of strength and energy!"とため息をついていた。音楽は、ド素人の私だが、上原ひろみのパフォーマンスを見て、感じたこと。。。ピアノって指ではなくて、身体で弾くの?ということだ。全身髪の先から、つま先まで使ってピアノを操っている感じだ。そして、アスリートのような彼女の動きに、瞬きをするのも惜しいと思わせるほどだ。まさに、ピアノの神様が降りて来た感じを味わう。

数曲弾いた後、会場は拍手の嵐がすでに鳴り止まなかった。"Thank you!" と彼女が言った後、観客のオージーのおやじさんが、"Thank you for coming to the Under!"と大声で答えて、笑いのうずが会場に起こった。


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写真はRecital hall とYAMAHAのピアノの舞台セット。
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by gonzalesK | 2016-06-16 12:22 | Life in Sydney | Comments(0)

Language of dream

2016年3月16日(水)

本日もまた、retrospective な日記です。


あれは1月末のこと、どうしても行きたい美術展があって、行ってしまった。行ってしまった、と何となく罪悪感を感じたのも覚えている。それは、Art Gallery of NSWという古い美しい美術館で催された The GREATS -Masterpieces from the National Galleries of Scotland だった。

ロンドンとパリを旅行したときの楽しみの一つは、美術館を巡って、お気に入りの絵を見つけてぼーっと眺めることだった。しかし、しばらくは諸事情により、ヨーロッパには行けそうものない。なので、ヨーロッパから名画たちがはるばる赤道を超えて、シドニーにやってくるなんて何てありがたいことだろうと思った。

シドニーの美術館は、名画と観客の距離が近い。なので、こちらの気がすむまで、名画をじろじろと鑑賞することができる。ベビーカーをおす赤ちゃん連れもいるし、電動車いすで来るご年配の方もいるし、敷居は全く高くない。私が美術館を訪れた日も、赤ちゃんが、ぎゃーぎゃーと泣いていたりした。

今回、私が心を奪われたのは、ゴーギャンのThree Tahitians (1899)という作品だった。私は、ゴーギャンのprimitive artの影響を受けたであろう、力強い絵が大好きだ。その絵には、二人の美しい女性と、その女性の間に挟まれるようにして後ろ向きに立っている男性が描かれている。

音声ガイドによると、この美しい色彩は、'Language of dream' なのだそうだ。そして、この絵には、ゴーギャンの 'No one is evil, no one is good, everyone is both' 'The important thing is a balance between two....' というメッセージが込められているということだ。全うなメッセージなのだけれど、どこかのオヤジのいい訳- excuse みたいに聞こえるのは、気のせいだろうか。


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by gonzalesK | 2016-03-15 21:06 | Life in Sydney | Comments(2)

Happy Father's day

2015年9月6日(日)

今日は、オーストラリアの父の日。日本の父の日はたしか6月なので、いまいちぴんとこない。子どもから夫への贈り物、自分の足形と手形!デイケアの先生方が一生懸命に作って下さいました。

いつの間にか大きくなった足形と手形に、素敵なポエムが添えてありました。

Ten little fingers
And ten tiny toes

Two innocent eyes
And one button nose

Two cute dimpled hands
To play peek-a-boo

Two soft chubby feet
To toddle toward you

Happy Father's Day
2015

Love
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by gonzalesK | 2015-09-08 22:06 | Life in Sydney | Comments(0)

冬眠から覚めた熊

ひどいかぜを引いてから回復をすると、そのかぜを引く前以上に身体が軽くなることがある。

先週は、子どもがデイケア(日本の保育園のようなところ)から貰って来たかぜに、家族全員まんまとやられてしまった。今週始めには、ほとんど回復して、身体が軽く、いろいろなことをやり始めたい気分にかられた。

まずは、長い間放置してしまったブログを更新した。シドニーで助産師として働きだしてから、およそ半年が経った。いろいろな情報を発信したいと思っても、なかなかできずに、いや手を付けずにいた。もともとは泉に水が湧くように、頭の中に言葉が浮かんでこないと、いろいろな文章をかけないタイプだ。

シドニーはもうすぐ春だし、冬眠していた熊が、洞窟からのしのしと抜け出す気分。

これからもよろしくお願いいたします。


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by gonzalesK | 2015-09-02 21:26 | Life in Sydney | Comments(2)

3度目の正直

2013年9月7日(土)


シドニーは、春を通り越して、初夏のような陽気の今日この頃。

大学の同級生たちも、11月の卒業とその後の助産師登録に向けて、慌ただしく過ごしている。最終学年の3年になると、ほとんどを実習病院で過ごしている。オーストラリアで看護師や助産師に登録するためには、日本のような国家試験を受ける必要がない。大学を卒業できた=臨床家としてcompetent である、能力を満たしている、ということで、Nursing and Midwifery board 看護助産協会に登録される。なので、明らかに能力が不十分な学生をそのまま卒業させてしまうと、大学の名に傷がつくので、大学側も慎重である。

私たち、Non-native English speaker の学生たちは、資格登録のために、もう一つ、乗り越えなければならない壁がある。それは、英語のテスト。Oversea nurses の増加と職業移民の増加に歯止めをkかけるために、ここ何年かで、英語の壁はどんどん高くなっている。看護師や助産師として登録するには、IELTS でトータル7.0のスコアか、OET (Occupational English Test)で、B以上のスコアをone sitting でパスしました、という証明書が必要である。これがくせもので、英語の試験にパスできないために、大学を卒業しても登録や就職ができずに、ナースになるのをいったんあきらめて、母国に帰る海外留学生たちも多いそうだ。

私は、3年前にOETの試験を受けて、リスニング、リーディング、ライティング、スピーキングのなかで、スピーキングだけをパスできなかった。その後、大学に入り、頭の片隅には、またOETを受けなければなーという気持ちがあった。正直、この2年間は、テストを何となく避けて来た感があった。

もう逃げられないので、今年の6月末に2回目の挑戦をしてみた。そうしたら、今度はライティングをパスできなかった。大学で、あれだけessayを書いて来たのに。。。と凹んだ。しかし、スピーキングがパスしたので、この2年間の病院実習は無駄じゃなかったのだな、と前向きに捉えた。こういったテストは、一貫性を保つのが困難で、時によって難しかったり、そんなに難しくなかったりするから、続けて受けてみるといいよ、というアドバイスも受けた。

そして、先月再度テストを受けたところ、やっと合格した。日本語では、3度目の正直 Third times pays for all、ということわざがあるよーと、テスト前に夫と前向きに話していた。同時に、2度あることは3度ある、ということわざも浮かんだが、それは頭の中でごしごし消して、夫には言わなかった。

ただ、英語の試験をパスしたからといっても、現場にいけば、いろいろな英語を話す人がいて、毎日 I beg your perdon? の繰り返しだし、私のJapanese アクセントのspeaking がはっきりしないので、sorry? と聞き返されることも多々ある。それでも、周りの支えがあって、ここまでやって来れた。英語の試験に受かったこれからが、本当のスタートなのだろう。特に、職業人として社会にでていくからには、(できるかできないかは別として)一生英語を学び続ける覚悟をしていくということを、心に留めておこうと思っている。



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by gonzalesK | 2013-09-07 23:41 | Life in Sydney

Lights in Christmas

2012年12月24日(月)


夏休みに入ってから、まだまだ続く継続受け持ち妊婦さんの妊婦検診に行ったり、アシスタント・ミッドワイフとして、病院でアルバイトをしている。私のポジションはcasual pool で、スタッフの病欠などで、スタッフの補充が必要なときに不定期に呼ばれる。

オーストラリアでは、sick leave は、sicky と呼ばれるくらいに、文化として定着している。Sicky を取ったスタッフが、休暇中の上司とビーチでばったり出くわす、というような冗談があるくらいだ。風邪で熱を出したら、解熱剤のボルタレン座薬を入れて、それでも職場に向かう戦士のような日本人のナースとは、違うのだ(私はそのような勇ましいことはできなかったけれども)。なので、そのsicky の恩恵に与り、週に2回か3回は仕事に呼ばれるので、アルバイトとしては丁度いい感じだ。

夏のクリスマスは、個人的にはまだまだ慣れないけれども、クリスマスツリーやリースで彩られる街が好きだ。大きなクリスマスツリーを見上げると、澄み切った青い空がある。

クリスマス・イブは、街の大きな教会 - St Mary's Cathedral のクリスマス礼拝に夫ともに行ってみた。私たちは、クリスチャンではないけれども、夫はキリスト教系の高校を卒業しているし、私も大学でキリスト教に触れる機会を多く持ったので、教会に出向くのは抵抗がない。重厚なパイプオルガンの音色を聴くと、大学や大学院にあった小さなチャペルを思い出して、心が温まった。

心が温まったのはいいものの、エアコンのない夏の夜の教会のなかは、たくさんの神父さんやコーラスの人々、燃え上がるロウソクたち、私たちのような一見さん、観光客、熱心な信者さんたちでごったがえしていて、蒸し風呂のようだった。

私たちは、礼拝の途中で外の空気を吸いにぶらっと教会を出た。そうしたら、偶然にも、光と音楽のイベント、Lights in Chrsitmas というイベントが始まったところだった。


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教会が、ライトによって、次々と彩られていって幻想的だった。気がついたら、教会の中から人々が次々と出て来て、光が放つクリスマスツリーやリースに見入っていた。礼拝の妨げにならないのかな、とも思ったけれども、どこにいても平和を祈る気持ちは一緒、きっとみんな気にしないんだろうな。



Wish you all a joyful Christmas and a happy New Year in 2013


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by gonzalesK | 2012-12-25 12:34 | Life in Sydney

春に会いに

2012年10月7日(日)

あっという間に春を通り越して夏になってしまったと思っていた。

なので、春に会いに、シドニーの中心部から2時間あまり車を走らせたところに位置するLeura という小さな高原の町に出かけて来た。偶然にも、毎年春の恒例のイベントのLeura garden festival というお花見のようなイベントもあって、たくさんのお花たちをゆっくり鑑賞することができた。チューリップの花々が、何かを言いたげに、元気よくお日様の方を向いて咲いているのを見ると、お花にも命が宿っているんだなと思う。

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夫は、ピンクの花をつけた木々を見つけると、「SAKURAだね!」と喜んでいた。本当に桜の種類なのかは、あやしい。ただ、Japanese maple tree といって、もみじのような品種も人気みたいで、いろいろなところで見かけた。これは、私邸のお庭を一般に公開するイベントでもあり、手入れの行き届いたお庭から、オーナーさんの木々や花々に対する愛情を感じた。


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by gonzalesK | 2012-10-09 14:51 | Life in Sydney

おのぼり、世界の田舎に戻る

2012年2月16日(木)


1月末に日本に10日間ほど滞在して、シドニーに戻って来た。日本を恋しいと思う気持ちはあっても、シドニーに到着して、意外にも気持ちがほっとしていることに気がついた。駆け足での訪問で、実家のある埼玉と、東京を行き来たので、久しぶりに満員電車にも乗ったし、駅ですれ違いざまに、身体がぶつかっても何も言わない人々の姿に、気持ちがややびっくりしてしまったのだろう。先進国へのおのぼりさんが、世界のはじっこの田舎に帰って来た感じだ。

シドニーでは、すれ違い様に目が合うと、にこっとしてくれる人も老若男女問わずたくさんいる。すれ違いざまにお互いが触れ合ってしまったら、'Excuse me!'と笑顔で言いあう、ここの習慣も改めていいな、と思う。スキンヘッドに入れ墨のおにいさんだって、私にぶつかったら‘Sorry!'とか言ってくれるもんな。逆にそうでもしないと、Fワードから始まるいざこざが発生してしまうから、それを防ぐための予防的な行動なのかもしれないけれども。そう考えると、あんなにひどく身体がぶつかっても目も会わせずにいて、何もいざこざがおこらない日本はスゴイ。

日本出発前、心配性の夫は、私が頼んでもいないのに、インターネットでいろいろ日本に関するリサーチをしていた。ガイガーカウンターを購入した方がいいのか、タイ製のカップヌードルやオーストラリア産のおそばを持って行け、マッシュルームと乳製品と魚とビーフは食べないようにね、とか言ってせわしなかった。

いざ日本に到着し、始めは食べ物のことが何となく気にかかった、というのが正直なところだ。しかし姉から到着そうそうに、そんな私の気持ちを見破られ、「福島産の野菜とかは、スーパーに売ってないし買わないけど、産地偽造はあたりまえだから、覚悟しな!」と言われた。もっともだよな、と思って、それから腹がすわったような気がする。

そうして、刺身やお寿司、ケーキなどの乳製品も思いっきり食べて来た。私が日本に滞在中に食べたものは、すべてがおいしかったし、見たものはすべてが美しかった。シドニーには決してない、今になっては求めてもいない、かゆいところに手が届くようなサービス精神と顧客対応の素晴らしさ (どうしてTEPCOには十分な顧客対応ができないのだろうか、という疑念はさておいて)。

ある時、佐川急便さんが、夜の9時に荷物を配達してくれて、こちらが指定したのに「遅い時間にすみません。」と言われてびっくりした。「私が頼んだのですけど!!遅くに指定してすみません!」と思わず返答してしまった。こんな時間指定のサービス、オーストラリアではありえない。

ちりひとつ落ちていないような、重箱の隅までお掃除したかのように美しい公共のスペース。民族問わず、ごみをぽいぽいと捨てる人が多いシドニーでは、ありえない。こんなに美しい日本は、まだまだ大丈夫だよ、がんばろう日本、と勝手に思っていた。

一方で、私が滞在していたところから、200キロメートルも北に行くと、そこではまだ原子力発電所から放射能が漏れていて、それでも除染しようとしている人たちがいて、、、と思うと何ともやるせない気持ちにもなった。キング牧師(Martin Luther King, Jr) が、善良の人々の沈黙は、悪人の行動よりもひどいものだ、とスピーチで語ったのは有名だ。それなら私も、たちが悪い善良の市民である。

同時に、東京のきらきらとしたものが並ぶお店の店員さんの笑顔、満員電車で疲れている人々の顔、両者に密かに溢れる虚像とか虚無というものも、少しだけ感じてきてしまったような気がする。これは、私のシドニー在住が長くなって来たということなのだろうか。


We will have to repent in this generation not merely for the hateful words and actions of the bad people but for the appalling silence of the good people.

- Martin Luther King, Jr.




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by gonzalesK | 2012-02-16 22:49 | Life in Sydney

2012年 今年もよろしくお願いします

2012年1月9日(月)

今年もよろしくお願いします。
2012年が、平和と希望と公正につつまれた世界になりますように。


シドニーは、年が明けた瞬間から、太陽が思い出したかのように強い日差しを降り注ぎ、夏らしい陽気が戻ってきました。それでも、涼しくからっとしているのでさわやかな夏です。クリスマス休暇では、3年ぶりにメルボルンの街を散策、嵐の中に大きなヒョウが降ったり、太陽が日を照りつけたり、女心のように変わるメルボルンの天気を満喫してきました。クリスマス中は、メルボルンの中華街でおいしい飲茶や中華粥を頂いて来たため、年末には天ぷらそば、大晦日にはお雑煮を作って、日本の新年の雰囲気を楽しもうと努力しました。


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それでも、元旦はやはり近所(車で20分)のマンリービーチに繰り出し、砂浜を歩いたり、海沿いのカフェでコーヒーを飲みながら、のんびり過ごしました。当日は、波が高く、一部に遊泳禁止の表札が出ていながら、ライフガードさんたちはまったりしていて、シドニーらしい新年を迎えられたことを実感しました。

海の水は、いつもと同じように冷たかったです。サリーに身をつつんだまま水浴びをしている女性もいれば、そのわきでメンズ・ノンノの表紙に出てきそうなかっこいい金髪のおにいさんがサーフィンの練習をしていたり、ふくよかすぎる身体にどうどうとビキニを着て、背筋を伸ばして歩いているオージーのおばちゃんもいました。シドニーの多様性が好きだなあ、とも思いました。

すみきった青い海と空に感謝しながら。


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by gonzalesK | 2012-01-09 10:56 | Life in Sydney

あの国のかたち - Merry Christmas

2011年12月24日(土)


シドニーでは、BONSAI(盆栽)が流行っているようで、あちらこちらでショップを見かける。おしとやかなBONSAIを眺めていると、やっぱりMother Earthだなあと、思わずため息をつきたくなる。そのBONSAIは、小さな器に入った土から、栄養分を吸収して一人前に根を力強くはやしている。細いけれども強くてこしがある、くねくねと螺旋状の木の幹は、臍帯そのものだ。

受精卵が、子宮の壁に付着して栄養分を吸い取り、胎盤という根っこを植え付けるような一連の現象をBONSAIの中から恒間見ることができる。やっぱり人は、どこかで母なる大地を求めているのかもしれないと思う。詩人の谷川俊太郎さんは、「母は自然そのものであり、母親のからだの中に帰りたかった」というようなことを随筆の中で綴っている。

オーストラリアの先住民のアボリジニには、人間が土地を所有するという感覚がなく、土地が人間を所有するという思想が、何千年も昔からあるそうだ。豪政府の政策により、北オーストラリアにウランの採択工場が開発され、土地や川や森や子孫を傷つけられたと嘆く先住民たちがいる。そのウランのbest customer−一番の顧客は、もちろん東京電力だ。

何年か前に、フランスのある会社が、ウラン採択工場を新しく開発しようと、先住民の人々に山ほどのお金を積んで見せたが、彼らはその土地の人々に相手にもされなかったと聞いた。お金よりも何よりも、その土地が、森が川が子どもが大切だというアボリジニの人々は、たぐいまれな高尚な倫理観と、一貫した思想を持ち合わせているような気がする。オージーたちは、尊敬の念を持って彼らのことを、Richest people in Australia- オーストラリアで一番豊かな人々と呼んでいる。

それに対して、ここから見る日本は、東日本大震災とそれに続く東京電力原子力発電所の事故で、不思議なカオスと化しているような気がしてならない。一生懸命に反原発を唱える人と、出来る限りのことはしたいけど、日々の生活が忙しいのよ、という人、一種のあきらめの感を持って日々の生活を精一杯に送る人、原発は大事な金づるだから、堂々とこれからもお金を儲け続けようとする人。また、原子力発電所の近隣から避難をすること、しないことをそれぞれ選んだ人々、選択する権利を奪われている人々。

その人の意志や生き方、当人しかわからない事情が反映されることだし、どうすればいいのか、私にもわからない。私が日本にいたら、どのように暮らしているのだろうと考えてみても、淡々と“変わらない”日常を送っているだろうなとも思う。ただ、日本という国のことを、こんなにもわからないと思ったことはないと、ふと思った。だから、最近日本語の能力も衰えてきたようだし、近所の図書館に行って、何か日本語の本を読んでみようと思った。

司馬遼太郎さんの小説は、通勤電車に乗る親父さんたちが読む本というイメージがあったから、今まで読もうと思ったことはなかった。しかし、「この国のかたち」という随筆集が、図書館の本棚にあって目に留まったので、早速読んでみることにした。司馬さんは、第2次世界大戦で徴兵され、兵隊として働いていた昭和の戦争の時代が大嫌いだそうだ。

日本は、江戸時代などは粋で素敵だったのに、どうして昭和の戦争のあの時期にあんなにひどいことになったのかーだから彼なりに「この国のかたち」を紐解いて見たいという思いがあったそうだ。ただし、その答えは「私(司馬さん)にも結局良くわからない」ということだった。

司馬さんにわからないことが、私にわかるはずもないなと思って、もういいや、不毛なことを考えるのはよそうと思ってみる。夫にせかされる前に、さっさとクリスマス旅行の準備でもしようか。



Merry Christmas, I wish you have a great Christmas with your loved ones.



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by gonzalesK | 2011-12-24 19:59 | Life in Sydney

シドニーの青い空と広い海のふもとで繰り広げられる日常をこんぶ風味でお伝えします
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