続こんぶの日記 KOMBU's diary from Sydney

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11 minutes - Paulo Coelho

2010年8月28日(土)

寒さの厳しかったシドニーだが、ようやく春一番のような風がふくようになった。そして、赤やオレンジや色とりどりの花が、街を彩るようになってきた。北半球の暑さに相まって、南半球の今年の夏は暑くなるだろうとみんなが予測している。

1冊の本を読み終わった。初めて読み切った英語の記念すべき本。今までは、必要な学術レポートなどは英語でも読んでいたけれども、小説となると、なかなか読み切れずにいた。この本は、友人が英語のリズムがよくて読みやすいから、とすすめてくれたものだ。Paulo Coelho は、「アルケミスト」が有名だと思う。私も何年も前に日本で読んだけれど、大人向け児童書のような、啓発書のようだったような、あまり印象に残っていない。一方これは、とても純粋なおとぎ話のような現実の話のような、売春婦のお話。

冒頭が、童話のように "Once upon a time, there was a prostitute called Maria...;昔々、マリアと呼ばれる売春婦がいました。。" と始まるところから物語に引き込まれていく。“11分間”とは、人間がセックスにかける平均時間、それに翻弄されるヒトの姿をマリアは見つめていく。

マリアは、ブラジルで斡旋業者にだまされて、スイスに渡り、自ら売春婦への道を歩むのだが、その過程が悲観的でも楽観的でもなく、心の描写がシニカルだ。海外で生活を始めた時のとまどいや不安は、移民の私とも共通するところがあり、時に頷きながら読んだ。

この本に浸っていた昨夜、ふとテレビを見ていたら、シリアに住むイラク難民女性のレポートが流れた。首都のダマスカスでは、多くのイラク難民の少女や女性たちが売春宿に斡旋されていくという。一人のイラク人のお母さんは、5年間行方不明の娘を捜している、きっと誘拐されてどこかに売られてしまったのだろうと訴えていた。

世界中には、11分間を売ることを強要されている数えきれないほどの“マリア”もいる。それをコントロールしているのは、何なのだろうか。ふつふつと沸き上がる怒りも感じながら、本にあった一遍の詩を改めて読み直す。

"---Am prostitute, mother, wife, divinity. I am what people call life, Although you call it death.."




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by gonzalesK | 2010-08-28 13:13

シドニーの青い空と広い海のふもとで繰り広げられる日常をこんぶ風味でお伝えします
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