続こんぶの日記 KOMBU's diary from Sydney

<   2011年 04月 ( 2 )   > この月の画像一覧




さくら

b0175015_1252241.jpg2011年4月14日(木)

川越に住む姉から、桜が満開の写真が届いた。どんな状況のなかでも、春の訪れを知らせるようにただそこに咲き、力強さを見せる桜はすごいなあと思う。その美しさが、被災された方々や、余震が続く生活に疲れた人々を、少しでも元気づけてくれればいいなと思う。

毎年春になると(といってもシドニーでは秋の到来なのだが)、思い出したかのように聞いてしまう曲がある。森山直太朗の「さくら」。大学院の謝恩会でみんなで歌って以来、大好きな歌のひとつになった。


「僕らはきっと待っている 君といつかまた会える日々を 桜並木の道の上で手を振り叫ぶよ どんなに苦しいときも君は笑っているから くじけそうになりかけてもがんばれる気がしたよ 霞行く景色の中にあの日の唄が聞こえる さくら さくら 今咲き誇る 刹那にちりゆく運命と知って さらば友よ 旅立ちのとき 変わらない思いを いま

今なら言えるだろうか 偽りのない言葉 輝ける君の未来を願う 本当の言葉 移り行く町はまるで僕らをせかすように さくら さくら ただ舞落ちる いつか生まれ変わる瞬間を信じ 泣くな友よ いま惜別のとき 飾らないあの笑顔で さあ さくら さくら いざ舞い上がれ 永久にさんざめく光を浴びて さらば友よ この場所で会おう さくら舞い散る道の上で」

大学院の謝恩会の委員が助産の同級生の中にいたので、みんなで何を歌おうかと、がやがやと話し合った。私は、中島みゆきの「時代」を提案したのだが、それは即刻却下された。誰の提案でこの曲に決まったのかは覚えていない。けれど、素晴らしい選曲だった。私はこの歌を知らなかったので、謝恩会の当日、この歌の楽譜を渡され、初めて聞いたのだが、胸が熱くなったのを今でも覚えている。

看護研究への示唆が厳しく、日本のナイチンゲールの残像を思わせるT先生が、一生懸命に大きな口を開けて唄ってくれていたのを、今でも鮮明に思い出すことができる。私たちの教授は、スピーチの中で「あなたたちは、宝です。」と言ってくれた。人生の中で、何人の人が自分たちのことを宝と言ってくれるだろうか。私は、謝恩会などの形式ばったものが苦手なので、欠席をしようかと内心企んでいたのだが、出席して本当によかったなと思ったのだった。

新しいことを学ぶには、いつも勇気がいる。同級生たちの素晴らしいところは、ある程度の知識や経験を持ちあせて来ていても、さらに新しいことを学ぼうという力があったことだと思う。砂漠が水を吸収するように、みんなは、ぐんぐんといろいろなことを吸収した。ある程度の年齢を重ねると、それは決して容易いことではない。新しい知識がやってきても、界面活性剤のごとくはじいてしまう人もいる。互いが遠慮なく学べる学びやすい環境は、偶然の産物ではなく、あらかじめ助産の教育者である先生たちによって、用意されたものだったのだ。

大学院を修了してから何回さくらを眺めたのだろう、最近、ようやくそんなことに気がついた。
[PR]



by gonzalesK | 2011-04-15 11:58 | Life in Sydney

In touch with the people..

20111年4月4日(月)

数年前には、現場主義を掲げるNGOの職員として、中東の現場で活動していました。なので、日本で東京で福島で、「いままで生きていたなかで、一番大きな地震」を体験した方たち、実際に被災して避難している方達と、海外にいる私たちの間には、温度差があることはわかっています。どんな言葉をかけても、その差は埋まることがないが、それでも言いたい。

東北沖地震で、亡くなられた方、被災した方々、避難している方々、そのご家族やご親戚、お友達・・・。すべての方々に、心からお見舞いを申し上げます。海外にいる私たちも、被災地のことや現場で働く仲間たちのこと、関東在住で余震や原発の心配をする友人や家族を、思わない日はありません。私たちにできること、募金や寄付や、いろいろなチャリティーイベントが、ここシドニーでも開催されており、復興の一助になりたいと思っています。

津波や地震の被害に遭われて被災している方たちが、原発の事故によってさらに苦しんでいることも、私たちの胸を痛めています。シドニーでは、日本人の対処能力を讃える報道もたくさんされていました。日本は世界中から愛されている国だとも言われています。被災された人々、自治体やコミュニティの力が強く、洗練されていることは、本当にすごいことだと思います。しかし、原発の問題が発生してからは、日本政府は、もう少し情報を公開する必要があるのでは、という論説が出てきています。

状況が違うので、安易に比べることはよくないと思いますが、先のオーストラリア、クィーンズランド州で洪水がおきた時には、州知事であるアナ・ブライ氏は、目を真っ赤にしながら、すっぴんでテレビにでて、知事による記者会見を連日数時間ごとに行っていました。記者からの質問にも、すべて自分で答えていました。また洪水発生から数日以内には、現場に出向いて被災者を励ましていました。情報公開という意味においては、彼女の姿は立派だったと思います。こういう人をリーダーというのだな、と私はその時妙に感心したのを覚えています。

日本では、首相が3週間経ってから被災地視察をしたとニュースで見ました。現場が迷惑だからこないでくれ、と言っていたのかもしれませんし、忙しかったのかもしれません。しかし、普段は他国の政府のことをいちいち批判しない夫も、テレビを見ながら、首相のことを、"He is not in touch with the people…人々の心に触れていないね。。“と言っていました。

原発のことは、言うまでもなくもっと信頼性の高い情報が必要でしょう。小さな子どもを持つ姉は、「ただちに影響はございません」が、子どもの将来のことを心配しています。一方で、がんで治療中の父は、「放射能が飛んできたら、放射線治療でがんがなおるかもな」と不謹慎な皮肉を言っていました。個々人の状況の違いで、その差はあるにせよ、みんなそれぞれ放射能に対する不安を抱えていると思います。

政府や東電の方達は、がんばっていると思いますが、子どもを持つ母親たち、妊婦さんたち、卵子を抱える女の子たちのことを、もう少し思って活動してほしい。官僚たちは、これはあなたたちの面子の問題では全くなく、今を生きる人々だけでの問題でもなく、胎児の中に宿る卵子たちの、つまりは未来の問題でもあると、もう少しだけ自覚してほしいと思っています。

机上の空論にすぎない批判で虚しいです。私自身は、福島の原発なしでは成り立たなかったであろう“豊かな”生活を、日本で享受してきました。そのときは、無関心の罪、原発のことを全く考えませんでした。明るい東京が好きで、シドニーに来たときには、町の暗さが嫌で、東京が恋しくなった時が何度もありました。私は日本人だから、若干暗くなった東京もきっとそのまま大好きだろうと思います。誰をも批判する権利は、私には本当はないけれども、ここから見えた日本について、愛する母国のことを思いながら書きました。
[PR]



by gonzalesK | 2011-04-04 17:50 | Life in Sydney

シドニーの青い空と広い海のふもとで繰り広げられる日常をこんぶ風味でお伝えします
by gonzalesK
プロフィールを見る
画像一覧
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

最新のコメント

kokeko さん!そう..
by gonzalesK at 10:11
あらら、お熱だったの~(..
by kokeko-2015 at 23:09
シドニーの美術館はゆるー..
by gonzalesK at 15:03
どんな絵なのだろうと、調..
by kokeko-2015 at 09:29
こけこさん、なるほど〜k..
by gonzalesK at 17:46
ほぉ。。。(←お友達の言..
by kokeko-2015 at 22:22
こけこさん、コメントあり..
by gonzalesK at 09:42
おはよう(笑) シドニ..
by kokeko-2015 at 23:13

最新の記事

The Year of Ro..
at 2017-02-09 21:21
HIROMI THE TRI..
at 2016-06-16 12:22
花冷え
at 2016-06-01 15:11
あっちの桜、こっちのジャカランタ
at 2016-05-18 21:22
Language of dr..
at 2016-03-15 21:06

記事ランキング

画像一覧